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能生白山神社春季大祭
毎年4月24日に行われる大祭で奉納される舞楽は、市内にある4つの重要無形民俗文化財のうちの一つです。これは室町時代の中頃に大阪四天王寺から伝わり、伝承されてきた舞楽として知られています。この舞楽では、稚児が中心となる舞が多く、地元の人々や遠方から訪れる客を神秘的な世界へと引き込んでいきます。
特に最後に披露される舞楽「陵王」は、圧倒的な迫力を持っています。
春季大祭では、池の上に設営された舞台で舞楽が奉納されます。この舞楽の歴史は古く、長享2年(1488年)に京都の相国寺の僧侶・万里集九が能生を訪れた際の日記『梅花無尽蔵』にその記述が見られ、500年以上の歴史があることがわかります。この舞楽は大阪の四天王寺の舞楽の影響を受けつつ、地域独自の要素も取り入れられ、新たな舞楽として演じられています。昭和55年1月28日には、糸魚川の天津神社の舞楽と共に重要無形民俗文化財に指定されました。
獅子舞
(ししまい)
大人2人
二人立ちで、御神嚮(ごじんこう)の先頭でお庭祓いを務め、舞われます。
能生地区、小泊地区の若手連中が、毎年交互に担当しています。
お走り
(おはしり)
三の神輿の神主がお告げを感じた瞬間、「やー」と掛け声を発し、3基の神輿・大道具・稚児が一斉に走り出します。神輿は、担がずに手に持って運ぶのが特色の一つです。
振舞
(えんぶ)
稚児2人
舞台祓いの儀式として、舞楽の開始時に舞われます。これは舞台を清め、悪霊を鎮める祈りが込められた舞であります。
候礼
(そうらい)
稚児4人
白いちりめんの装束に花の天冠をかぶり、四人の稚児が舞台で舞う姿は、非常に穏やかで優雅です。中央の舞楽に該当するものはなく、能生白山神社独自の舞です。
童羅利
(どうらり)
稚児1人
五分ほどの短い舞で、稚児舞の中で唯一、面を被った状態で舞います。この舞はシンプルで軽快であり、ひょうきんな動作が特徴です。帰りの橋掛りですべる仕草をし、「あかんべえ」ををする所作があり、見どころです。稚児の中でも最年少の稚児が舞います。
地久
(ちきゅう)
稚児4人
花天冠を被った四人の稚児が登場し、舞は前半は比較的ゆっくりとしながら、後半は軽快なリズムで行われます。舞楽書の「地久」では、甲(かぶと)を被り、西域人を模した面をつけて舞うとされています。
能抜頭
(のうばとう)
大人1人
奈良時代までに南方から伝わったとされる林邑楽(林邑は今のベトナム)の舞のひとつとされ、父の仇の猛獣をさがし求め、格闘の末討ち取り、喜びいさんで山をくだる様子を表現しているとされています。手に持っているばちは、武器を表します。
赤と黒のだんだら模様の衣装は、他の地方舞楽に類がなく、当神社独自のものです。
泰平楽
(たいへいらく)
稚児4人
昔の武人が戦場に出るときの姿を模した、赤地に金欄の装束に鉾と太刀を一つずつ持って舞います。世の中の乱れを治め、正しい道に戻すという大変めでたい舞です。
大阪の四天王寺舞楽の特色が一番出ている舞楽です。
納曽利
(なそり)
大人2人
「双竜舞」とも称されるこの舞は、牙を持つどんぐり目の恐ろしい竜の面を被り、バチを持ちながら舞う姿で、楽しげに遊ぶ二匹の竜を表現しています。
赤白緑のだんだら模様の衣装は、能抜頭の衣装と同じく、当神社独自のものとなっています。
弓法楽
(きゅうほうらく)
稚児4人
頭に巻嬰冠をかぶり、肩に弓をかついで舞います。舞台でそれぞれ矢を一本放ち、帰りの橋掛かりでもう一本を放ちます。舞楽書には見当たらない舞です。
児抜頭
(ちごばとう)
稚児1人
花天冠を被り、紫色の衣装に身を包みながら、手には中啓と呼ばれる扇を持ち、優雅に静かに舞います。稚児のリーダーの一の戸が担当します。
輪歌
(りんが)
稚児4人
紫色のちりめんの装束を身にまとい、手に花束を持ち舞います。その静かで優雅な姿が陵王の登場を一層荘厳なものとしています。舞楽書には見当たらない舞です。
陵王
(りょうおう)
大人1人
舞楽書の左舞「蘭陵王」であり、「走舞」の代表です。あたまに動物の赤熊毛(しゃぐま)をつけ、手に中啓(扇)を持って舞います。中国北斎の蘭陵王長恭が戦いの際、柔和な顔立ちを隠すため面をつけて出陣したという故事によるといわれ、「蘭陵王入陣の曲」と呼ばれます。
太陽が日本海に沈む頃にこの舞は舞われ、舞台の中央で「日を招く」所作があります。
「日招きの舞」とも云われ、舞に先立ち楽屋で「面渡しの儀式」が行われます。能生白山神社舞楽の最重要とされる舞です。
テレビで紹介されました
そこにあるもの。〜繋ぐ。送る。⽣きる。⽂化といのち〜
主な日程
9時〜 獅子舞
行列に先立ち獅子舞が舞われます。
12時〜 神輿のお走り 大祭
3基の神輿が境内を勢いよく走ります。
お走りの興奮冷めやらぬうち、大祭式典が行われます。
13時〜 舞楽奉納
式典が終わり、清浄な雰囲気の中舞楽の奉納が始まります。
時間は天候、進行状況によって前後します。
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